毕业论文课题相关文献综述

　　　　　　　　　　　　文 献 综 述

1、繁田信一 （2006）『陰陽師 安倍晴明と蘆屋道満』中公新書　

　「陰陽師」を代表する人物と言えば、多くの方にとっては、やはり、安倍晴明ではなかろう。平安時代に陰陽師として名高い陰陽道の第一者、それが安倍晴明だ。小説映画漫画といった娯楽メディアを通して安倍晴明の存在を知らない人はおそらく少いだろう。そして、登場した安倍晴明はときとして凄まじい力を発揮する。その力は、王朝の都であった平安京どころか、この世界のすべても滅ぼす。だから、娯楽作品を通じてしか安倍晴明を知らない方であれば、彼を架空の人物と見なすことも不思議ではない。しかしながら、「陰陽師」と呼ばれる人々は、日本の歴史上に確かに存在していた。少なくとも、王朝時代の平安京では、安倍晴明をはじめとする幾人もの陰陽師たちが、盛んに占いや禊祓などを行っていたのだ。そこで、本書においては、安倍晴明をはじめとする平安時代中期の陰陽師たちについて、彼らがどのような活動をしていたかということを、同時代人たちの証言から検証してきた。要するに、安倍晴明が実際にしていた仕事の内容を、安倍晴明と同時代の人たちの証言を手係として探ってみた。

2、繁田信一（2006）『安倍晴明　陰陽師たちの平安時代』吉川弘文館

　何故安倍晴明は陰陽師になったのだろうか。。世に溢れるいわゆる「晴明本」の数々を読み漁ったところで、安倍晴明が陰陽師になる理由を知ることはできない。すでに氾濫しているようにさえ見えるほどに数多くの晴明本が出版されているにもかかわらず、そのいずれからも〈何故安倍晴明は陰陽師になったのか〉という疑問に対する解答を見出すことはできない。では、その安倍晴明が陰陽師になった背景について、あるいは、彼が陰陽師となることを選んだ理由について、『安倍晴明　陰陽師たちの平安時代』と題する本書の課題は、これまで手付かずになってきた謎を解明している。すなわち、安倍晴明が陰陽師となった事情や背景を明らかにすることこそが、この本の目的なのだ。

3、繁田信一（2005）『平安貴族と陰陽師』安倍晴明の歴史民俗学　吉川弘文館

　しばしば「陰陽師の安倍晴明というのは、実在した人物なのか」と尋ねられることがある。最近はすっかり有名になった安倍晴明だが、彼の名前を知ったのは、多くの場合、映画か漫画からであろう。そして、たいてい映画漫画小説には、晴明のことを強大な力を持つ超人として描かれている。娯楽作品の中の晴明は、その気があれば天下を滅ぼすことのできる存在だ。では、安倍晴明が生きていた平安時代というのは、どのような時代だったのだろうか。西暦の794年から1192年までが、平安時代と呼ばれる。794年は桓武天皇によって都が平安京に遷された年であり、また1192に年というのは源頼朝が鎌倉に幕府を開いた年だ。つまり、平安京への遷都から鎌倉幕府の樹立までのおよそ四百年間の「平安時代」である。貴族の勢力がふるってきた平安時代には目に見えない霊物が貴族たちの日常生活を脅かしたので、陰陽師がだんだん盛んになってきた。その中で安倍晴明という抜群した人物がいた。

4、斎藤英喜（2004）『安倍晴明―陰陽の達者なり』ミネルヴァ書房　

　安倍晴明(九二一～一〇〇五)は平安時代の陰陽師で、土御門家の祖だ。説話や伝説に彩られた安倍晴明の実像はいかなるものだったのか。平安時代の諸記録から多様な陰陽道祭祀や儀礼の現場を復元し、「術法の者」としての生涯を明らかにすることで、従来とは異なる新しい晴明像を描き出す。

5、夢枕獏　(1988)『陰陽師』文藝春秋のち文庫